先日、子どもの通う学校の参観日で、小4(10歳を迎える年)の息子の学年で2分の1成人式が行われました。
2分の1成人式について、賛否両論あることをご存知でしょうか。
- 子供に感謝と感動を強制すべきでない
- 虐待を受けている子や両親がいない子などに配慮していない
- 準備に使う時間は学習にあてられるべき
など、様々な反対があり、やりたい人は勝手に家でやれよ的な意見も耳にしたことがあります。
私は賛成でも反対でもなかったけど、実際に見に行って涙腺崩壊したくち。笑
我が子の2分の1成人式に実際に参加した感想と、賛否について、現時点での意見を残しておきます。
2分の1成人式はやめるべき?
そもそも2分の1成人式とは何かというと、10歳を迎える小学4年生のときに行われるイベントで、大体が参観日のように保護者参加型。
子から親へあるいは親から子へ手紙が読まれたり、「こんなことができるようになったよ!」をお披露目したり、将来の夢を発表したり、内容は学校によって違う。
学習指導要領で定められたものではないが各学校の判断で実施され、小学校の行事として定着しつつある。
「感動」「親への感謝」「将来の夢」などがテーマとされる。
2分の1成人式は保護者に好評であり、ベネッセによる2012年の自社サイト利用者を対象とした調査では、2分の1成人式をしたことがある子を持つ保護者の約9割が満足したと回答した。
Wikipedia『2分の1成人式』 より一部引用
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親として2分の1成人式に参加して
息子の通う小学校では、今年の2分の1成人式に劇が行われました。
3学期に入ってから、「生まれたときの様子は?」「名前の由来は?」「1歳までで思い出に残っていることは?」(←これが10年分!笑)「大変だったことは?」など、親と話をしてプリントに書いて提出する宿題が頻繁に出ていました。
学校で先生と子供たちで、宿題を参考に2分の1成人式で何をやりたいか話し合ったそうです。
そしてストーリーや小道具など、ほとんど全て子供たちが考えて決めて作った、とのことでした。
劇のストーリー
10歳を迎えた男の子と女の子がタイムトラベルして、生まれたときから幼稚園小学校と振り返って、今とどんな5年生になりたいかまで繋がっていく。
最後は合唱。
サプライズで先生にむけてのプレゼントと合唱もありました。(先生には「式の後に少し時間をください!」とだけしか言ってなかったらしい。)
劇の途中には、4年生までにこんなことができるようになったと、実際に跳び箱や縄跳びや九九を披露するシーンがあり、
合唱の途中に「おとうさん、おかあさん、これまで大切に育ててくれてありがとう。」のようなセリフがありました。
子から親へ、親から子へ、といった1人1人の手紙は無かったです。
その代わり、参観日翌日の私の誕生日には風船と手紙が贈られました。
これは先生も一緒に作るのを手伝ってくれたということなので、4年生の間に1年かけてそれぞれお母さんの誕生日に渡してるのかな?
だとしたらすごいな。先生大変やな。
長男からの誕生日プレゼント🎁
昨日2分の1成人式でめちゃくちゃ泣かされて、今日コレ。
母干からびてしまうわwさそり座は長男の月星座。このチョイス!笑
ほとんど水瓶座の男やのに、本人は月星座が気に入ってるそうだ。豚汁、また作るからね〜🍙✨ pic.twitter.com/Q2A03hpl2z
— メリッサ (@sutekimama7) 2019年3月1日
感想
宿題で息子から生まれたときの様子や思い出を聞かれて、こちらも真剣に答えようと思ったら、色々と思い出がよみがえってきて。
妊娠が分かったときのこと。
名前を考えたときのこと。
1歳になったとき私が免許を取ったから、2人でめちゃめちゃデートしたな。
ひかりカエサルの水色のサル↓が、
赤ちゃん時代の長男にクリソツで、当時はグッズのぬいぐるみが契約者プレゼントしかなくて、でもどうしても手に入れたくてヤフオクで必死で落札したな。
しかも夫に「500円くらいまででやめとけよ。」と言われたのに、結局3,000円くらいしてん。笑
手のひらサイズのひかりカエサルやねんけど、その話をしたら長男がおもちゃ箱から「これ!?」って持ってきて、最近は大事そうに一緒に寝てるわ。
弟や妹が増えるたびに、べったり2人でくっついて過ごしていた赤ちゃん時代から少しずつ離れて過ごすことが増えて、寂しい思いとか我慢とか、させたんやろなと思う。
でも2人きりで過ごしたのは長男だけで、それは他の子たちは味わってないことやから特別なんかなぁと。
正直、下に行けば行くほど必死になって子育てしてるうちに気付いたら大きくなってた!っていう感覚の方が強くて、1歳までとかほとんど記憶に残ってないもん。ごめんやで。
忙しい時間帯にカラアゲ揚げてる横に来て「ママぁ、俺が生まれたときさぁ。」とか言われても「危ないし忙しいねんからちょっとあっち行ってて!待って!!」とかなったりもしたけどさ、
その後、「アンタが生まれたときさぁ。」って話ながらご飯食べて、
私もビール飲んでるもんで感極まって「ホンマにみんなに感謝やわ。一人ではアンタら育てられてへんかったもん。」って涙流してさ、
三男とか娘とか多分「なに泣いてんの?」って感じやと思うねんけど、長男はちょっとじーんときてたりとかしてさ。笑
で、こういうことって、毎日バタバタ過ごしていると忘れがちなんですよね。
親子で、家族で、ゆっくりと話す良いきっかけをもらったなぁと思います。
あ、劇ですか?
お笑いまじり涙まじりで楽しませてもらいました。
劇や台詞の内容というよりも、自分たちで考えてこういうことができるようになったんやなぁということに感動しました。
子供たちが10年間生きてきて成長してることにおめでとうやなぁと思いました。
自分のことが嫌いと言った小2から、長男の気持ちに何か少しでも変化があると嬉しいな。
小4当時の私だったら
マジで無理。絶対したくない。手紙とか書くことないし!!!
2分の1成人式を親として経験して感動したと宣った私ですが、舌の根も乾かぬうちにこのザマ。汗
それくらい小4って、暗黒期真っただ中、まだまだ続きます・・・な頃でした。
実際には私のときにはなかったので良かったですが、もしやってたと思うとゾッとする。怖っっ!
生まれてからこれまでを振り返る宿題とか、辛すぎて無理。
絶対に親にはそんな宿題あるって気付かれたくないし、多分あることないこと勝手に書いて出したやろな。
感謝の手紙なんて書かされようもんなら。
小4の私が目の前におったら、抱きしめて優しく言ってあげるわ。
「書きたくないなら書かなくていいし、伝えたいことがあるなら感謝じゃなくても書いていい。」と。
もしも2分の1成人式が、
これまで大切に育ててもらった親に感謝を伝えて、親も子も感動することを強制
する儀式なのだとしたら、クソか!!と思う。
またひとつ、自分を強く否定する体験になってただろう。
自分の気持ちなんて誰も分からない。
私のツラさよりも親と教師の面目が優先されるこの世界に、半ば諦めの気持ちと1㎜の期待を込めて上っ面だけの手紙を書き、じわりと心が壊死していくのを感じていただろう。
親との子の温度差ヤバい
2分の1成人式は保護者に好評であり、ベネッセによる2012年の自社サイト利用者を対象とした調査では、2分の1成人式をしたことがある子を持つ保護者の約9割が満足したと回答した。
2分の1成人式を廃止した学校では、保護者から苦情が寄せられたものの子どもからの文句はなく、インタビューに応じた教諭は「子どもにとっては『面倒くさい行事がなくなった』ぐらいのものだった。」と答えた。
Wikipedia 『2分の1成人式』より一部引用
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私自身の親意見と子意見でもかなりの温度差がありましたが。笑
実際の親子間でも温度差がありそうですよね。
幼稚園の発表会でも合唱のあいまに先生が考えた感謝のセリフを言う場面が毎度あるんですが、まだ幼稚園児くらいの年齢って「親が好き」が純粋なままの部分が多いと思うんです。
だから言わされたセリフでも、気持ちと捻じれが少ない。ほとんどない。
でも小4ってもう、そうじゃないですよね。
自分ができてきて、「親が好き」だけど「自分と違う」ことも認識しつつあって、でも自分を通すと否定される家庭に身を置いていると、親に合わせようと頑張っても上手くいかなくて、でもどうしたらいいか分からずに、どんどん「親が好き」が苦しくなってきてて、悩む。
少なくとも私はそんな時期でした。
心から「大切に育ててくれてありがとう。」だなんて、言えない。
悔しくて、苦しくて、泣きながら、でも言わないと怒られるから涙まじりに何とか絞り出した台詞に、「まぁ、感動屋さん♡」なーんて言われたら、-40度の一瞥をくれてやる。
だけど、そんな葛藤も含めて10年間なんとか生きてきたことに対しての労いの会なら。
頑張って死なずにここまでやってきた、身体も成長したし、できるようになったこともある、そんな自分を自分で褒めて認めてあげる会なら。
誰に評価されることもなく、比較されることもなく、見栄や虚栄は要らなくて、親や教師に気を使う必要もないのなら。
自己を肯定して前を向く活力になる2分の1成人式だったら、小4の私もやりたいと思う。
だから・・・今は親となった私ですが、感謝の手紙とか要らないんですよね。
子が生まれてからこれまで、ずっと常に平穏で幸せな家庭であり、感謝されるほど自己犠牲の上に成り立つ子育てをしてきたので、みんなの前でどうぞ発表して!っていうような褒められた母親じゃないですしね、私。笑
長男は結構楽しそうに宿題をして劇の練習をしていたけれど、もしも次男三男娘が「やりたくない」と言ったら、私は「ほな、せんとき~。」と答えます。